「四天王の一人が陥落した。」

この衝撃的な知らせは、瞬く間に世界中に広まった。



信じていた者は驚き、また信じていた力の崩落に恐怖した。
立ち向かう者は歓喜し、自分たちの力に自信をつけた。
何も知らない多くの者は混乱し、不安感を募らせた。

四天王の中で一番地位も発言力も無かった彼だが、
その彼が亡くなって初めて現れた現象に、
残った三人は彼の影響力を実感せずにはいられなかった。


ラクスは、
自分の掲げる理想を真摯に受け止め、現実を持って返してくれる人を失った。

キラは、
自分と最も近しい力を持ち、同じ苦しみや悩みを分かち合える友を失った。

カガリは、
自分に対して嘘偽り無く話す、共に現実を見つめてくれる同志を失った。



三人は、
高い地位にいるが故に多忙な彼らを繋いでいた、大切な仲間を失った。







「意外と早かったねぇ。」
仮面をつけたリーダーが笑った。

一人が欠けただけで、今まで無敵を誇っていた四天王が一気に崩れ始めていた。
なんとも滑稽である。

「支えを失った城はいつまで保つかな…?」


ソラが不安げにリーダーを見上げると、リーダーは優しい笑みを向けてその髪をなでた。


「さ、これからが大変だよ。キミに覚悟はあるかな?」

ソラは唇をきゅっと引き結び、頷いた。