デスティニーブラストのビームサーベルが、真っ直ぐトゥルージャスティスのコックピットに向かってくる。
アスランはその様子を息もせずに見守っていた。

そして襲い来る衝撃。
瞬間に、視界は白く染まった。



気付けば、アスランは暖かくも寒くもない空間に浮いていた。

「アスラン…」

ふと聞こえたやわらかい声に、そっと目を開ける。
そこには、鮮やかな赤があった。

……ああ、こんなところにいたのか。

赤い髪をなびかせて、生前より幼く明るい表情で、彼女はいた。
アスランは目を細めて、手を伸ばした。
細い体をそっと抱きしめる。……暖かかった。
そのぬくもりに、アスランは思わず泣きそうになる。

「迎えに来てくれたのか?」

アスランが蒼い瞳を見ながら問えば、彼女はにっこりと笑ってうなずいた。

「アスラン、よく道に迷うでしょう?心配だもの。」

アスランは苦笑して、久しぶりに再会した愛しい人の額にキスを落とす。
腕の中の少女は、くすぐったそうに笑った。

「皆、あなたを待ってるのよ。」

手を引かれて、光の中を進む。

皆とは誰のことか、
始めは不思議に思ったアスランだが、光の中に見覚えのある人影を認めて顔をほころばせた。
彼らも無事にこちらに来ていたのだ。アスランは安堵した。

ふと、気になって後ろを振り向く。
まだあちらに残してきた大切な人たちを想った。カガリ、キラ、ラクス――そして、シン。
彼らの身を案じるように、アスランは目を伏せた。

でも、きっと、また会える。
こうして自分が愛しい人と再会できたように。
……たとえ遠い未来でも。

自分の傍らにいる少女の手を、アスランは強く握り締めた。
今度こそ、この手を離さないように……。

まぶしい笑顔が、アスランを包んだ。